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DAYS JAPAN 12月号



武力や暴力はもうたくさん

暴力とは、もちろん、腕力を使ったものだけを言うのではありません。
私は、自分自身が被害者であったこと以上に、知らず知らずに、世界のどこかで起きている暴力の連鎖に荷担してはいないか、ということを恐れています。

たとえば、アパレル業界。海外生産の服を気軽に購入することで、過酷な児童労働や劣悪な環境で働く人びとへの搾取を、知らないうちに行っているという事実があります。安価な洋服だけではありません。よく知られたブランド製品も含まれています。
たまたま、平和な日本に生まれたという、たったそれだけのことで、私たちは他国の人びとより優位な立場に安住しています。

それで本当に、長い人生を幸せに生きられるのでしょうか。
世界のどこかで、現在も暴力に苦しむ人びとがいます。そのことに気づかないふりを、私たちは今後も続けることが本当にできるのでしょうか。

私はまた、もっとも恐ろしい暴力とは「ありのままの事実を、ありのままにとらえる勇気を持てないこと」だと考えています。ほんの小さな思いこみや、根拠のない噂が、他人の一生を狂わせてしまうことがあります。
そして、そういう安易なものの見方が、やがて恐ろしい方向へと向かうことを、歴史が教えてくれています。
私たちは、『いつでも加害者になりうる』ということを、決して忘れてはならないと思うのです。

私の半生を振りかえるとき、自分の人格を破壊するに等しい事件があります。そのことを心の奥に封じ込め、表面的にはなんとか生きて来たつもりでしたが、決して心が満たされることはありませんでした。

結局のところ、私はその事件ときちんと向き合わねばなりません。それが、今回のブランド設立に至るきっかけでした。

12歳の百合の花が咲く季節に、レイプ事件がありました。
本当は未遂でしたが、当時のわたしには、それが未遂と知る知識もありません。
翌朝、なぜか憶測だけでうわさは広がり、誰かが学校に通報しました。

誰ひとり、事実をわたしに確かめることなく、全校朝礼が招集され、校長より、レイプされる者の気のゆるみが指摘されました。
全校生徒が振り返り、視線がわたしにささりました。

虐めとともに時がすぎ、男の攻撃性に対する嫌悪感だけが脳裏にすり込まれ、そして、自分の肉体に対する嫌悪感もすり込まれました。
わたしは弱い男にだけ身体を開くことで、もっと自分を傷つけました。
弱い男たちはやがて、暴力や暴言で、わたしをさらに傷つけたのです。

私はいま、誰か個人を憎んだり、恨んだりしているわけではありません。
人間は、誰もが弱く、はかなく、簡単に他者の意見になびくものです。ただ、その事実を知っていることは、とても大切なことだと考えています。
私は、他者を傷つける勝者になるよりも、他人の痛みに思いを巡らせることができる、そんな人間であることを願っています。
その、人生をかけた願いが、このBloody Faithの成分です。